目次
はじめに:市販されている介護食の概要と利点
市販の介護食は、高齢者や介護が必要な方々のために特別に設計された食品です。
これらの食品は、手軽に購入でき、調理の手間を省きながらも栄養バランスが考慮されています。
これにより、介護者は毎日の食事準備の負担を軽減でき、被介護者もおいしく栄養価の高い食事を楽しむことができます。
また、配食サービスを利用することで、定期的に栄養バランスの取れた介護食を自宅に届けてもらうことも可能です。
ここでは、市販の介護食を上手に取り入れていただくことのメリットと被介護者に合った介護食を選ぶ際の注意点をお伝えします。
また最後には、見た目は普段の食事と変わらないけれど驚きのやわらかさを実現した介護食「そふまる」についてご案内します。
市販の介護食の種類と特徴
市販されている介護食にはさまざまな種類があります。
それぞれの特徴を理解することで、適切な選択が可能となります。
たとえば、レトルトパウチ、冷凍食品、粉末状のスープやドリンクなど、多岐にわたる製品が存在します。
さらに、介護食品には嚥下機能に障害を持つ方のための「ミキサー食」や「ムース食」、「ソフト食」など、特別な食感や形状に加工された食品もあります。
栄養価の高さと品質の保証
市販の介護食は、栄養士や専門家によって設計されていることが多く、必要な栄養素をバランス良く含んでいます。
例えば、1食で高齢者の方が必要とする主要なビタミンやミネラルを摂取できるよう設計されているものもあります。
また、厳しい品質管理が行われているため、安全性も保証されています。例えば、「HACCP認証」を取得した施設で製造されている商品などもあります。
食事の準備の手間を省く
介護食の市販品は調理済みのものが多く、簡単に温めるだけで食事が準備できます。
例えば、冷凍食品の介護食やレトルトパウチ商品は、電子レンジや湯煎で温めるだけで、おいしい食事が完成します。
これにより、介護者の負担が大幅に軽減されます。特に、日々の食事準備に追われるご家族にとって、非常に助かる存在です。
高齢者の嗜好に合った選択肢
市販の介護食は、さまざまな味や食感のバリエーションが用意されており、高齢者の嗜好に合わせた選択が可能です。
例えば、日常の食事としては、調理に時間のかかる揚げ物や煮物などから、日本の伝統的な行事食の「おせち」などのメニューまで豊富に揃っています。
また、嚥下が難しい高齢者向けに特別に調整された食感が特徴の製品もあります。
さらに、配食サービスでは、個々の嗜好や栄養状態に合わせたオーダーメイドのメニューも提供されることがあります。
市販の介護食利用時の安全と健康への配慮
介護食を利用する際には、健康面や安全面への配慮も重要です。
高齢者は健康状態が変わりやすいため、常に適切な選択を心掛けることが大切です。
特に嚥下機能が低下した方は、誤嚥・窒息等の危険があるため、かかり付けの医師や管理栄養士に相談するようにしましょう。
適切な食材選びと栄養バランスの考慮
市販の介護食を選ぶ際には、使用されている食材やその栄養バランスを確認することが重要です。
例えば、タンパク質が豊富なものや、ビタミンが多く含まれるものなど、特定の栄養素が強化された製品がありますが、特定の栄養素が不足しないように注意が必要です。高齢者の健康維持には、バランスの良い食事が不可欠です。
アレルギー物質の確認と回避
食物アレルギーがある場合は、製品に含まれるアレルギー物質を事前に確認し、避けるようにしましょう。
市販品には特定原材料8品目のアレルギー表示が義務付けられています。例えば、「アレルゲンフリー」マークが付いている製品は、特定のアレルギー物質を含まないことが保証されています。
これは、安心して食事を楽しむために非常に重要なポイントです。
さらに、配食サービスを利用する場合でも、アレルギー対応メニューが用意されていることが多く、個別対応が可能です。
市販の介護食のコストパフォーマンス
コスト面でのメリットも、市販の介護食の魅力のひとつです。適切な製品を選ぶことで、経済的な負担を軽減できます。市販の介護食の価格は、製品によって異なります。
価格だけでなく、内容物や栄養価も比較して、コストパフォーマンスの高い製品を選びましょう。
コスト削減のための賢い買い方
まとめ買いや定期購入などを利用することで、コストを削減することが可能です。
例えば、「定期購入プラン」を利用すると、毎回の購入価格が割引されるだけでなく、定期的に自宅に配送されるため、品切れや買い忘れ、ストック切れの心配もありません。
また、セールやクーポンを活用するのも効果的です。季節ごとのセールやキャンペーンが頻繁に行われており、これを活用することでコストを大幅に抑えることができます。
実際の利用者から見た市販介護食の評価
市販の介護食を実際に利用している方々の意見も参考になります。利用者の声は、製品選びの重要な指標となります。
ここでは介護食の「そふまる」を実際にお召し上がり頂いた方から寄せられた、「お客様の声」をご紹介させて頂きます。
「冷凍の個包装なので、食べたい時に食べたい分だけ簡単に調理できるので助かります。」
「いつもは、自分で刻んでいましたが、週に2~3回夕食にそふまるを出すようになって、調理が楽になりました。」
「普段は食事を残していますが、そふまるの時は完食してくれます。」
「かむ力が衰えてきた母に、きざみ食を食べてもらえなくて困っていましたが、そふまるならおいしそうな見た目をしているので喜んで食べてもらえました。」
「フライや唐揚げは、見た目は固そうなのに、食べたら柔らかくてジューシーで驚きました。素材の味わいがあるので、介護食という感じがなく食べられました!」
「普段食べることのできない揚げ物などもお箸で簡単に切れるほどのやわらかさなので大満足です!」
口コミやレビューを参考にすることで、実際の使用感を知ることができます。特に、「おすすめの介護食」として評価されている製品は、安心して選ぶことができます。
介護食の味と食感の改善事例
利用者のフィードバックを基に、メーカーでは味や食感の改善を続けています。
例えば、最近の新商品は、従来の製品に比べて味が大幅に向上しており、利用者から高い評価を得ています。
また、食感をより柔らかくする工夫が施されており、嚥下が難しい高齢者にも食べやすいと評判です。
「ミキサー食」や「ムース食」など、食感に配慮した商品も増えてきており、利用者の嗜好や嚥下能力に合わせた選択肢が広がっています。
購入から食卓へ:市販介護食の活用方法
市販の介護食を上手に活用することで、食事の準備がさらに簡単になります。適切な活用方法を知ることで、介護の質が向上します。
市販の介護食を賢く活用するためのポイントをいくつか紹介します。
便利な買い置きと保存のコツ
市販の介護食は長期保存が可能なものも多く、買い置きしておくと便利です。
例えば、冷凍介護食は、冷凍保存が可能であり、必要なときに解凍して使用できます。長期間品質を保つことができるのも便利です。
例えば、レトルトパウチや缶詰の介護食は、常温で長期間保存できるため、買い置きに適しています。
また、冷暗所に保存する、開封後はすぐに使い切るなど、基本的な保存方法を守ることが重要です。
市販品を用いたレシピと工夫
市販の介護食を使って、さらに美味しくするためのレシピや工夫を紹介します。
例えば、バランス栄養食を使った簡単なリゾットや、栄養満点のスムージーなど、簡単にアレンジできるレシピが豊富にあります。
さらに、「ミキサー食」を活用してスープやピューレを作ったり、「ムース食」を利用してデザート風にアレンジすることで、食事の楽しみが増えます。
介護食の「そふまる」を活用したアレンジレシピの一例をご紹介します。
★レシピのポイント
腸内環境を整える善玉菌とそのエサとなる食物繊維やオリゴ糖たっぷりのカレーです!
大豆や玉ねぎにはオリゴ糖が含まれます。
大豆ミート入りハンバーグカレーのレシピはこちら
★レシピのポイント
鰆にあんを絡めることで、口の中でまとまりやすく、飲み込みやすくなるため、介護食にぴったりのメニューです。
鰆の野菜あんかけのレシピはこちら
★レシピのポイント
そふまるの鶏のおろし煮をアレンジした、栄養満点!ボリューム満点!のけんちん汁です。
ごま油で炒めることで香りが良く、食欲そそられるお汁に仕上げました。
鶏のおろし煮入りけんちん汁のレシピはこちら
「そふまる」を提供している私達、名阪食品株式会社は、病院や高齢者福祉施設で50年以上に渡り、食事提供のお手伝いさせていただいている会社です。
毎日の食事提供を行う中で、病気や加齢、障がいなどによって、噛む力や飲み込む力が弱くなった方にもっと食事を楽しんで頂きたいという思いから、新しい介護食の研究開発を行ってまいりました。
"すべての方に、安全で笑顔の溢れる食事を提供したい" という強い思いから、「そふまる」という介護食ブランドを立ち上げました。
「そふまる」という名前は、やわらかいを意味するソフトと、つながりをイメージする輪(まる)を組み合わせて命名しました。
「そふまる」には、見た目そのままのやわらか食を通して、食の楽しさをお届けしたいという想いが込められています。
「そふまる」の特徴は、以下になります。
- レンジで温めるだけで、簡単に食べられる冷凍食品
- 健康に配慮された塩分相当量(1人前あたり1.0g以下)
- ユニバーサルデザインフード認証を取得しているため、自分にあった「やわらかさ」を選ぶことが可能
- 管理栄養士監修のため、栄養バランスも配慮
- すべての商品が味付け調理済のため、調理の手間が省ける
- 調理の手間が省け、食事介助などの別のことに時間が使える
- ネットで注文、買い物に行く手間が省ける
まとめ
市販の介護食は、その手軽さや栄養バランス、コストパフォーマンスなど、多くのメリットがあります。
特に、忙しい介護者や、さまざまな健康状態の高齢者にとって、非常に有用な選択肢となります。以下に、市販の介護食を活用する際のポイントをまとめます。
1. 栄養バランスの確認
市販の介護食を選ぶ際には、栄養素のバランスをよく確認しましょう。特に、タンパク質、ビタミン、ミネラルがしっかりと含まれている製品を選ぶことが重要です。高齢者の健康維持に必要な栄養素が不足しないように注意しましょう。
2. 安全性の確保
アレルギー物質の確認はもちろん、保存方法や製品の安全性にも注意を払いましょう。「HACCP認証」や「アレルゲンフリー」マークが付いている製品は、信頼性が高いです。
3. コストパフォーマンスの見極め
市販の介護食は価格がさまざまです。定期購入やセールを活用し、経済的に無理なく続けられるようにしましょう。価格だけでなく、内容物や栄養価を比較することが大切です。
4. 利用者のフィードバックを参考に
実際に市販の介護食を利用している方々の口コミやレビューを参考にしましょう。味や食感、使い勝手など、実際の利用者の意見は非常に参考になります。
5. 創意工夫でバリエーションを
市販の介護食をそのまま利用するだけでなく、簡単なアレンジを加えることで、食事のバリエーションを広げることができます。
冷凍野菜やシンプルな調味料を使ったり、家庭で手軽にできるレシピを取り入れることで、より楽しい食事時間を提供できます。
市販の介護食は、現代の忙しい生活の中で、介護者にとって非常に助かるアイテムです。
適切に選び、工夫して活用することで、介護される方の栄養状態をしっかりとサポートし、食事の時間を楽しむことができます。
多くのメーカーが提供する多様な選択肢の中から、最適なものを見つけ出し、上手に取り入れていきましょう。
また、配食サービスを利用することで、さらに便利に、安心して介護食を活用することができます。
監修者
上田 稚子(Ueda Wakako) 管理栄養士
大学卒業後、管理栄養士として亜急性期病院にて幅広いライフステージ、様々な疾患に応じた栄養指導をしてきました。
現在は、名阪食品株式会社にて介護食ブランド「そふまる」の研究開発に携わっています。