食事介助を行う皆さんにとって、高齢者の方が食べやすくて、尚且つ栄養バランスのとれた介護食を毎日作るのはとても大変なことですよね。
「毎食作るのは時間がかかってしまう」、「レシピのレパートリーが少ない」などの悩みを抱えている方も多いと思います。
また、介護食の場合、「やわらかくて食べやすいように調理するのに時間や手間がかかり、毎日作るのは大変」というのも大きな悩みの一つかもしれません。
毎日の「食事の準備が少しでも楽になれば、被介護者とコミュニケーションを上手くとる余裕も出てくるはずです。
今回は食事介助を行う皆さんに向けて、そふまるの商品を活用した一週間分の献立と簡単な作り置きレシピをご紹介します。
ご紹介する献立は全て、管理栄養士によって監修されており、栄養バランスを考慮ています。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
1週間の献立をご提案
★はそふまるの商品、●は目次2でご紹介する作り置きレシピを活用しています。
毎日の食事では、主食(ごはん・パン・麺類)、主菜(肉・魚)、副菜(野菜類)を組み合わせることで、必要な栄養素をバランス良く摂るのが基本です。
ここでは、献立を作る際のポイントをいくつかご紹介します。
【主菜でたんぱく質、副菜で野菜を摂る】
主菜には血液や筋肉を作る肉や魚介類、乳製品などでたんぱく質を、副菜にはビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれる野菜やきのこ類、海藻などをたっぷり取り入れるのがポイントです。
【副菜で彩りを意識する】
主菜は茶色っぽくなる料理が多いですが、副菜や付け合わせに赤・黄・緑・紫・黒・白などが入ると彩り豊かな食卓になります。
【材料と調理法の重複を避ける】
例えば、主菜が唐揚げ、副菜に茄子の揚げ浸しという献立だと揚げ物ばかりになってしまい、油の摂りすぎにつながります。
茄子の漬物や茄子のお浸しといった調理法を選び、さっぱりとした副菜でバランスをとりましょう。
【料理に季節感を取り入れる】
旬の食材は新鮮で美味しいだけではなく、他の季節に比べて栄養価も高くなります。
外出が難しい高齢者にとって、食事は楽しみであり、季節を感じる機会でもあります。
旬の食材や行事食を取り入れて、季節を楽しみましょう。
【月曜日・昼食】大豆ミート入りハンバーグ
たんぱく質たっぷりの大豆ミートを使用したハンバーグを主菜に、副菜にはパプリカのマリネを組み合わせ、洋風にまとめました。
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【火曜日・夕食】鶏のおろし煮
昼食は中華だったので、夕食は青じそを混ぜた鶏肉に大根おろしたっぷりのあっさり和食メニューに。
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【水曜日・昼食】めばるの唐揚げ
淡白なめばるに、サクッとした衣と油のコクがやみつきになります。南蛮風にアレンジすることで献立にメリハリをつけました。
めばるの唐揚げ
UDF区分:「歯ぐきでつぶせる」
淡泊なめばるに油のコクが加わり、やみつきになるおいしさです。
【木曜日・夕食】ぶりの照焼き
ジューシーなぶりの身が、甘辛いタレに絡み合う照り焼き。ビタミンやミネラルを含み、栄養バランスに優れた一品です。
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【金曜日・昼食】牛肉の甘辛煮
甘辛い煮汁がしっかりとしみ込んだ、食欲をそそる一品。冷凍しておいた筑前煮を活用したけんちん汁を合わせて野菜もしっかり摂れます。
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【土曜日・夕食】さけの塩焼き
塩でシンプルな味付けにしているので、鮭本来の味を楽しめます。和食の献立に取り入れたい一品です。
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【日曜日・昼食】豚の生姜焼き
定番メニュー、豚の生姜焼きに中華風おこわや切干大根のチヂミを合わせた献立。生姜の香りは食欲も増進させてくれます。
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高齢者向け作り置きレシピ
ここでは、前項でご紹介した献立に登場する作り置きレシピを3つご紹介します。
どれも簡単で長期冷蔵保存の場合3~4日の保存が可能ですので、ぜひ参考にしてみてください。
【パプリカのはちみつマリネ】(月・水)
★ レシピのポイント
レモンの爽やかさにはちみつが加わった優しい味付けのマリネです。
高齢者の方でも食べやすいように、パプリカはなるべく薄くスライスするのがポイントです。電子レンジでの加熱時間も長めにしてパプリカがしんなりするようにしています。
冷蔵庫で保存しておくと、3~4日は保存できます。魚介類やハムなどを加えると豪華な一品にもなります。
茹でたパスタと混ぜたり、ポテトサラダの具材としても使えます。彩り抜群なので、作り置きしておくと重宝します。
パプリカ(赤)...1/2個(70g)
パプリカ(黄)...1/2個(70g)
●レモン果汁...10g(小さじ2)
●はちみつ...14g(小さじ2)
●塩...少々(1g)
●オリーブオイル...6g(小さじ2)
〈作り方〉
① パプリカは洗って薄くスライスします。
② 耐熱容器に入れて、ラップをして600Wで1分加熱します。
★高齢者の方でも食べやすいよう、パプリカがしんなりするくらい加熱しましょう。
③ ●の調味料を順に入れて混ぜます。
④ パプリカが熱いうちに、マリネ液と混ぜ合わせて完成!
★熱いうちに混ぜ合わせることで、味がよく馴染みます。
【味噌玉】(月〜土)
★ レシピのポイント
1食分ずつ冷凍しておき、お湯を注ぐだけでいつでも簡単にお味噌汁をいただけます。
鍋で作りすぎたり余らせたりしまうこともなく、冷凍した場合は1ケ月程度と長期保存が可能です。味噌は塩分と糖分があるので、冷凍しても凍ることはありません。
好きな具材で作れるので、献立の幅も広がるレシピです。
味噌...75g
和風顆粒だし...1.8g
青ねぎ...1本(5g)
①里芋・人参...15g
②乾燥わかめ・桜えび...1.2g
③とろろ昆布・花麩...2.3g
④ほうれん草と油揚げ...10g
⑤あおさ/椎茸...0.3g/8g
⑥かぼちゃ・舞茸...15g
〈作り方〉
① 材料を準備し、ボウルに味噌と和風顆粒だしを入れてよく混ぜます。
② 青ねぎを小口切りにして、①に混ぜます。
③ 里芋・人参・ほうれん草・油揚げ・椎茸・かぼちゃ・舞茸は茹でて、冷ましておきます。
④ ラップまたは容器を準備し、味噌玉8gと具材を入れます。
★ラップの場合は、具材を中央に置いてから味噌を置いて包みます。
⑤ 具材は表面にまぶし付けると、種類が分かりやすくなります。
⑥ 冷凍で保存します。
⑦ お召し上がりの際は、汁椀に味噌玉を入れ、沸騰したお湯140mlを注いだら味噌汁の完成です!
【筑前煮】(水・金)
★ レシピのポイント
筑前煮は、鶏肉や根菜を油で炒めて炊いた福岡県の郷土料理ですが、今回はごぼうやレンコンは使わずに柔らかくなりやすい大根と里芋を使用しました。
具材はレンジで加熱するので、調理時間は20分と圧倒的に時短で作れます。冷蔵庫で3日程保存でき、冷凍も可能です。冷めると味が染み込み、ハンバーグやつくねに入れてリメイクもできるので作り置きにぴったりのレシピです。
鶏肉(小間切れ)...50g
厚揚げ...25g
椎茸...1枚
大根...100g
人参...25g
里芋(冷凍)...50g
いんげん(冷凍)...10g
サラダ油(揚げ油)...4g
めんつゆ(2倍濃縮)...20g
水...80g
〈作り方〉
① 厚揚げは一口大の大きさで1cm厚にカットします。(鶏肉が大きい場合はキッチンバサミで小さめの一口大に切ります。)
② 大根と人参はいちょう切りにします。大根は1cm厚、人参は5mm厚、里芋は1/4にカットします。
③ いんげんは2cm程度の長さにカット、椎茸は5mm厚にスライスします。
④ 耐熱ボウルにカットした大根・人参・里芋を入れて電子レンジ600Wで3分加熱します。
⑤ つまようじがなんとか刺さるくらいでOKです。
⑥ 鍋に油をひき、鶏肉を炒めます。(レンジで加熱している間、3分程度火を通します。)
⑦ 鍋に⑤の具材を入れて、油が絡まるよう1分程度炒めます。
⑧ 厚揚げと椎茸を入れて油が絡まる程度炒めます。
⑨ めんつゆと水を入れます。(甘さが欲しい場合は砂糖を追加してください。)
⑩ クッキングペーパーで落し蓋をして5分加熱します。具材をさっと混ぜて、いんげんを入れます。
⑪ さらに5分程度加熱したら、完成です。
☆保存する場合は、タッパーなどの容器の下に保冷剤を敷いて冷ますと時短になります。
作り置きのポイント
【衛生管理に気を付ける】
複数の食材を使用するので、二次汚染が起こらないように注意しましょう。 生のお肉、魚、卵等を取り扱った後は十分に手を洗いましょう。また、包丁やまな板は肉用、魚用、野菜用と使い分けておくと安全です。
保存する容器も、汚れや水分を取り、アルコール消毒しておくとよいでしょう。
【分量を調整する】
食事ごとに必要な分量を分けてから調理しましょう。食材の無駄を減らすために、必要な分量を計画的に使います。
【料理を冷却する】
調理が終わったら、保冷剤を使用して食材を速やかに冷まし、浅めの容器に入れて冷蔵庫や冷凍庫で保存しましょう。
速やかに冷却することで、菌が好む35度~40度を避けることができ、菌の繁殖を防ぐことができます。
生のお肉、魚、卵等を取り扱った後は十分に手を洗いましょう。
また、包丁やまな板は肉用、魚用、野菜用と使い分けておくと安全です。
【ラベリングする】
食材や料理によって保存期間は異なります。 作り置きした食材や料理には、ラベルを貼って内容物と保存日付を明記しておくことで管理がしやすくなります。
作り置きの食材は保存期間に注意し、早めに消費しましょう。
そふまるの商品をご紹介
今回は、そふまるの商品と作り置きレシピを活用した1週間の献立をご紹介しました。
毎日の食事にそふまるの商品を活用したいという方にはそふまるの「バラエティ10食セット」がおすすめです。
こちらは人気のお肉とお魚のおかずを詰め合わせたセットです。
全て異なる10食分のメニューとなっているので、今回ご紹介した献立のように、毎日の食事に取り入れていただくことができます。
また、10食セット以外にも、20食、30食セットもございます。まとめて購入できるのでお買い物の手間を省けますよ。
【バラエティ10食セット】
UDF区分:歯ぐきでつぶせる/舌でつぶせる
【鶏の唐揚げ甘辛あん】 75g
【豚かつ】 70g
【ハンバーグ】 60g
【牛肉の甘辛煮】 60g
【さわらの西京焼き】 50g
【あじの南蛮漬け】 55g
【さけの塩焼き】 40g
【ぶりの照焼き】 45g
【豚の生姜焼き】 70g
【さばの味噌煮】 40g
各1食ずつ
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バラエティセットを取り入れれば、メインの料理を一品選ぶだけで、毎日の食事の準備が格段に楽になります。
また、今回ご紹介した作り置きレシピを活用していただければ、さらに彩り豊かで栄養バランスのとれた食事を簡単に用意することができます。
1週間全ての食事に活用する必要はありませんが、一日だけ、あるいは一食だけでも活用していただければ、毎日の食事がより豊かなものになるでしょう。
介護食の準備をされている皆さんの負担が少しでも軽減されるよう、今回ご紹介した献立やレシピが参考になれば幸いです。
その他のレシピ
レシピ一覧はこちら監修者
上田 稚子(Ueda Wakako) 管理栄養士
大学卒業後、管理栄養士として亜急性期病院にて幅広いライフステージ、様々な疾患に応じた栄養指導をしてきました。現在は、名阪食品株式会社にて介護食ブランド「そふまる」の研究開発に携わっています。